藤本真由オフィシャルブログ

宝塚月組公演「NOBUNAGA<信長>−下天の夢−」「Forever LOVE!!」退団者[宝塚]
 楽しみどころが見出せなかった「NOBUNAGA<信長>−下天の夢−」だが、将軍足利義昭を演じた沙央くらまはよかった。信長の力によって僧侶から将軍になる。信長には決して頭が上がらないながらも、疎ましく思う気持ち。信長と好対照の人望のなさ。ちゃっかり担がれる側に回った人間の卑小さを、沙央はコミカルの按配も絶妙に演じてみせる。沙央はショーでも魅せた。黒燕尾服の月組男役陣が踊る中、セリの上で一人「セクシーガール」と歌う黒燕尾服姿の沙央自身が艶っぽくセクシー。その前の場面でコケティッシュな女装姿で愛らしく歌い踊っているだけに、ギャップが際立つ。
 そして、今の宝塚きってのショースター、愛希れいか。「Forever LOVE!!」でも魅力全開、柔軟とりまぜたダンスを見せる。何かを激しく希求するような土着的な踊りを披露する第16場。彼女の長い腕が、背中後方に向かって空を鋭く切り開く。その様をいつまでも飽きることなく見つめていたい。前回大劇場公演「GOLDEN JAZZ」で見せたアフリカンダンスも踊りとしてはすばらしいものだったが、正直、宝塚の娘役性をあまり考慮していない振付に思えた。その点、今回の方が、踊りの実力と娘役としての魅力双方を発揮できる仕上がりになっている。スタイリッシュな中詰で、長くスリットの入ったロングドレスの裾を翻し、月組娘役陣と共に颯爽と踊る姿がこれまたかっこいい。生きのいい娘役が揃った月組をトップ娘役として率いるにふさわしい。
 その月組でダンサーとして活躍してきた娘役の萌花ゆりあが、今回の公演をもって退団である。3月の赤坂ACTシアター公演「Voice」では少々やつれ気味で、それはそれで色気を感じさせていたが、元来は、今回の公演で見せたような、晴れやかな笑顔と妖精のようなたたずまいが魅力。「ラ・バンバ」にのってのラインダンスではキュートにセンターを務め、一曲通してハードに脚上げ、踊りまくり。芝居作品で沙央の将軍義昭に側室として寄り添う姿もふんわりかわいらしかった。

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