勅使川原三郎×山下洋輔「up」
 10月8日16時の部、東京芸術劇場プレイハウス。
 出演は勅使川原三郎と佐東利穂子、山下洋輔、そして一頭の黒い馬。ダンサー二人とピアニストとがセッションし、馬の存在もインパクトをもたらす。コントラストをつけて人物と馬とをシルエットだけで浮かび上がらせたり、勅使河原自らが手がける照明が美しい。まるでポケモンGOの“コイキング”のように、山下の奏でるグランドピアノの上に横に頭を乗せ、全身を震わせる勅使河原の動きが笑いを誘う。馬に乗って佐東が出てくる。と、馬が舞台を闊歩する蹄の音ともピアニストはさっそうと掛け合う。ときに耳なじみのある旋律が聴こえてきたり、融通無碍に生み出される音。ピアニストが退場している際にはその響きはなく、“無音”なる音に思いを馳せずにはいられない。100分間のスリリングな時間の果てに、気づいた。奏でている山下もまた、自らの内から生まれる音と共に踊っていたのだと。何とも贅沢な公演!

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